入院して退院してきました

 日本中がサッカーワールドカップに熱中している中、私はというと・・・ 
 月曜に入院し、胸腔に穴を開けてドレーンをつけ、脱気という空気を抜く処置を行い、昨日退院してきました。月曜朝の診察時には先週水曜のCTの結果から入院を勧められたのですが、差額ベッド代が発生する個室しか空いていなく、入院を延期にしてもらうかどうか悩んだのですが、さっさと治療して早く社会復帰したいという思いがあり、入院することに決めました。が、入院を決めてから撮った造影剤CTの結果では、安静で治癒を目指すレベルまでに回復していることが判明・・・。個室代を払うのに安静入院はどうかということもあったし、狭くなった空洞からより早く空気が抜けるのなら、胸部に管を入れてくださいと申し入れ、やっと夕方処置してもらいました。既に抜ける空気は少ないので、胸に穴を開けるために傷がつくということも、担当医は気にしてくれましたが、そこは、既に右乳房を切除したという経験者なので、傷がつくことには躊躇はしませんでした。二晩管をつけっぱなしで、大分肺が膨らんだので、管を抜いて、一晩様子を見た上で「空洞が5mmだけ」(≒肺が鎖骨上まで膨らんだ)という状態になったのを確認して、退院してきました。
 現在、処置前の息苦しさはなくなったものの、去年秋になった後鼻漏(こうびろう)の症状と同じ症状が出ていて、気管支にはりついている痰を出したくて、発作的に全身使った咳こみがあります。こんなに激しい咳は気胸には悪いため、とにかく退院にあたって、咳止めやら痰を薄める薬を処方してもらってきました。薬を飲み始めて大分激しい咳はなくなったものの、本当は痰の排出のために咳をしたい“体”。気胸からくる苦しさではなく、その咳症状のために、退院してから今まで息苦しい感じがしています。
 気胸にはその発症の原因によっていくつかの種類があります。私の気胸は、多くの人がなる自然気胸ではないようです。嚢胞(のうほう)が見られないとのことでした。(昔の人が多く罹って気胸の原因になった)結核の画像所見はない、難病の肺リンパ脈管筋腫症の画像所見もない・・・。女性の場合は子宮内膜症が横隔膜や肺に広がり月経とともに剥がれ落ちて起こる、月経随伴性気胸の場合もあるけれども、私はホルモン療法で無月経なので、それも排除されると思います(未確認)。はっきりしているのは、右肺の中葉に虚脱が見られたということだけです。多分珍しいケースだと思います。「原因不明」ではあるものの、もしかしたら癌治療の薬剤の影響で肺にダメージがあって弱まってしまったのかもしれないという仮説をもらいました。ただし、乳がん治療の副作用でそういった話は聞いたことがありません。来週、退院時にいただいた造影剤CTをCDに焼いたものを持って、乳がんの主治医のところに行ってきます。呼吸器科の先生に「癌性のものが写っていませんでしたか?」と、突っ込んで質問したのですが、「先週の水曜の(造影剤なしの)CTと同じようでした。後は、(乳がんの)主治医にデータをお渡しするので、検討してみてください」とのことで、さてさてどうなることやら、という感じです。
 再発しやすい病気であること、今回家庭の事情で入院がすぐできなかったこと(先週)、また病気自体が呼吸困難を伴う可能性の高いものであることから、正直、夫には何度も「帰任してほしい」と訴えています。乳がんの治療では夫が不在でも大丈夫という自信がありましたが、今回の病気は子どもら2人を抱えながらでは、素早い対応ができないことが大きな問題だと感じています。つまり癌治療はコントロール可能であるけれども、気胸はいつ何時発症するかわからないコントロール不能な病気です。もちろん再発しないかもしれませんが、したらしたで、今度は手術になるでしょう。
 「安静」治療も大変です。退院してからも「向こう2週間はおとなしくしてください」と言われて帰ってきました。看護師には「料理もなるべくしないでください」と言われ、この2日間は心臓のペースメーカーを入れている76才の叔母に泊まり込んでもらって、家事をお願いしています。明日には再び実家の母に来てもらいます。そして、来週金曜に抜糸とレントゲン撮影をしてきます。そこまでに、気胸がさらに改善していること(肺が元に戻っていること)が確認できたら、私としてはさ来週には仕事に復帰したいと思っています。1ヶ月のお休みをもらいましたが、私に与えられた業務が滞っていることに申し訳ない気持ちがあること、また欠勤はそのまま収入減を意味します。色々な意味で、かなりやっかいな病気だと思います。
 S吾が林間学校に行っている最中に入院したのですが、林間学校から帰った翌日の振り替え休日にはお見舞いに来てもらったりしました。Nちゃんは、階上でお泊りもしました。子どもたちには大変な思いをさせたかもしれません。とはいうものの、いい人生経験だとも思います。子どもたちにはずぶとい人間になってほしいと思います。