「完全退院」が遠のく・・・(号泣)

 8月20日に抗がん剤投与。骨髄抑制が強く出るため、またこの大学病院の基本的なやり方として、最初の抗がん剤投与後、約2週間観察のため入院が必要とのことだった。血液検査の数値次第で退院できるとのこと。白血球値の数値だと、一昨日にでも退院できるレベルだった。
 白血球値が800まで下がり、大部屋から個室に移動した日(投与後8日目)、朝から全くしゃきっとしなかった。白血球が少なくなったからといってこんなになるとは思わなかったけど・・・。何もしていなくても肩で息をしている、常に脈拍が110超え・・・。週末だったことや、私の場合、呼吸苦は胸水のせいだと思われていたからか、2日間は何の検査もなく過ごした。月曜の朝撮ったレントゲンから、右肺が若干しぼんでいる、つまり気胸の可能性を指摘され、夕方撮ったCTの結果から確定。再び、右胸にドレーンを入れられることに。白血球値が800台の2日間、何とか熱も出さずに無事通過という時、つまり、目の前に「完全退院」の日が迫ったのに、「退院の目途立たず」という状況になってしまったのだ。一気に谷につき落とされた気分に。「少し泣かせてください」って泣き始めたら、呼吸苦。「ああ、泣いたら苦しいんだった。泣いちゃだめなんだ」と、泣くのをやめ・・・。「先生!もう来週末には完全にハゲちゃうんだよ!」と悪態をつきながら、かつてあった右乳房の辺りにぐさっとドレーンを入れられた。癒着術をしても、数パーセントの確率で再発はあるとはわかっていたが、まさかここで再発するとは思ってもいなかった。
 その日はちょうどNちゃんの4歳の誕生日。処置30分前までS吾にオムライスの作り方を電話で伝授し、処置後1時間後には、Nちゃんに「お誕生日、おめでとう!」と電話で伝え・・・。
 そして、今日は、左胸から水を抜く。気胸だけだったら、酸素チューブは要らないはず。日中、ただベッドの上で座っているだけだったら、特に苦しくないのでつけていないことが多いが(一昨日、研究仲間が2人お見舞いに来てくれて、数時間おしゃべりもした!)、寝るために体を横にする時は別。酸素チューブで酸素を供給されても、リクライニングで斜めにしたベッドで寝ていると全身で呼吸している。やはり苦しい。そして、体重が徐々に増え続けている。
 昨日、朝一の回診時に「明日のレントゲンを撮ってみて、できれば水を抜いたほうがいいということになると思うから、心積もりをしておいて」と、仲良くしている若い研修医に言われ、夜8時半過ぎに外科の主治医が来て「左は半分ぐらい水が溜まっているから、やはり抜いたほうがいい」と・・・。
 また今日の午後から左右にドレーンを入れた状態になる。もうあり得ない状態・・・。でも、水を抜けば呼吸は楽になるはず。ここで楽になっておかないと、私の肺は機能低下を起こす。抗がん剤治療もできるだけ計画通りにやっていきたい。頭では理解している。でも、心と体の両方で現実を受け入れていく作業は、慣れたとはいえ、きつい。
 まあ、だからと言うわけじゃないけど、今日はお昼をベッドの上じゃなく、病院内のレストランで母と食べようと思う。もう入院生活も3ヶ月目に突入している。ここの病院食はおいしい方だと思うのだが、もう飽きて飽きて仕方が無い。がんばって食べているけど、時々食欲がなくなる(でも、何とか食べるけど)。手作りおにぎりが食べたい、モスバーガーが食べたい、ざるそばが食べたい、とにかく病院食以外のものが食べたい!病院内のレストランだもの、味がおいしいわけでもないけど、トロッカーと酸素ボンベ付きだから、一時外出もできないから・・・せめての現実逃避。
 こう書いていると、どんなに悲劇的かと読まれてしまうかもしれないけど、私は、もうすでにさばさばした状態。今日は書かないとやっていられないと思い立って、朝からブログを書いているけど、もう泣きようがないんだよね。あっ、私、基本泣き虫なんです。でも、もう、以前と同じ、ここで愚痴をこぼしこぼし現実を受け入れていくだけ。胸水を抜く・・・虫歯治療レベルと思わないと、な。