こどもの日に、一時帰宅!

おいしかったよ!

 実は「その日の体調次第」ということで計画していた一時外出。この約1週間の体調の安定、疼痛コントロール、トイレ問題などがクリアして・・・(でも念のためおむつ着用)。まあ、車でたかだか10分先の自宅なんですが・・・(苦笑)。また何かあれば病院にすぐ戻れる距離なんで。気晴らしも目的の一つ、でもそれ以上に重要なのは退院に向けの一歩となること。課題を見つける。
 病院内での動きと全く違う動きが必要だった。私はベッドから降りて、ある程度歩ける脚力はある(まだバランスの問題でふわふわしていますが)。点滴棒があれば(なくてもできそうレベル。でも万が一転んで骨折したら寝たきりになるので安全のため利用)、個室トイレに行き、トイレに座れる。ただ、その便座から立ち上がるためには手すりと点滴棒が必要。脚力の疲れによっては、全く立ち上がれないので、看護師の手を借りる。それで、歩いてベッドに戻れる。腰のしっかり感がまだないので長時間は歩いていないが、段差ないなら真っすぐ歩ける。
 さて、車に乗るのは難しい。左足をまず車の中に上げてもらって、私は手すりを利用し、そして夫におしりを持ちあげてもらって、後部座席に座らせてもらう。ある程度座ったら、後は腕と脚力で移動できるので、サポートはこれだけでOK。下りる時に両足でまっすぐ立ち上がるまではサポートが必要(病院のベッドの高さより高いから)。安心のために誰かの肩を借りれば、ガレージから玄関までは歩いて行ける。低めの階段も何とかこれでクリア。
 さて、玄関内に入ったら、最初から困った。我が家は玄関から室内に上がるところに段差があるだけ。それも15センチか20センチという段差。靴を脱がなければならない段階で、私は一気にいらいらし始めた。急に感じた感情にびっくりした・・・。どうやって靴を脱いで、片足をどう上げていいかわからない。片足を上げて一瞬でも踏ん張る動作は、この1ヶ月したことがない(平らのところで両足で踏ん張るのはトイレで経験)。夫と母に、靴をとりあえず脱げるようにしてもらって、さあ、この段差を上がるのは・・・夫の両手で引っ張る力じゃ駄目。二人の肩や腕を掴んだのか、夫の首につかまって、後ろから母に押されたのか(どうやったから記憶が曖昧・・・)。上がったら、段差がないので一人で歩ける。そしてソファーに座った。以前と同じ状態に。ちょうどいい座り心地。
 2階、3階の家族も顔を見せてくれて、しばし挨拶(目的のこともあり、疲れるので短時間で失礼してもらった)。その後、1階の家族だけで(もちろんそこには私の母もいるのだが)お昼ご飯。ついこの前まで、かなりのストレスだった食事問題(肉体的・精神的)が、健康時代と同じように戻ったのが本当にラッキーで・・・。食べたい物があり、食べたい量を食べ、心身から満足になること(こんな日が来るなんて!涙)。さて、ここにも課題。病院だとお茶碗を持っている時間が短い。お寿司をしょうゆ皿に運び、それを口に運び、食べきるまで。それなりに腕の力が必要なのがわかった。乾杯用のジュース(コップ半分)を持って、子ども達の挨拶をし終わるのも長く感じた。
 食事が終わった。じゃ、次の目的(これが本来第一でもある)。兜の前で写真撮影。こればっかりは、低めの椅子に移動。サポートがあればできる話。子どもらと3人で、夫も入れて4人で、娘は飽きちゃったから息子と2人で・・・。息子はアングルを気にして「おばあちゃん、もっとそっちから、こういう具合に」と指示ばかり。「そうだ、こんなにこだわるなら、写真をやっていた私が教えられる!」と退院後の楽しみが一つ増えた。興味ある時がチャンスの時なのだ。親としてのワクワク感。
 さて、みんな落ち着いたところで、欲張らないと考えていたけど、本か雑誌を数冊病院に持っていきたいと思っていたので、家の中を歩いてみようと思った。まずはソファーから立ち上がりたい。が、これが非常に難しいことがわかった。病院のベッドより若干低いだけなのに、全く立ち上がれない。もちろん、つかまるところがないからだが。夫の両手では引っ張り上げられない。で、夫の首に両手を回して、何とか立てた。で、立ち上がりさえすればあとは、テーブルや茶箪笥、壁を触っていれば、ある程度すたすた歩ける。家の中が片付かされていて、入院前にベッドそばに置いておいた本がどこにあるか夫に聞いたら「捨ててないはずだから、ここかな・・・」。捨ててないのは自信があるようだが、私は、壁に触れながら、奥の部屋に歩いていく。私の物よね・・・その2冊がなくても全然生存に関係ないのだけれど・・・。夫より、雑然とした荷物が多いのが私。でも1ヶ月前に確実にそこにあったものが見つからないのは何故?整理整頓をよしとする夫は「捨ててない」のに見つからない状況。主寝室になっている奥の部屋へ。家の中を歩くのは病院より楽。だって、手を伸ばせば壁か家具があるから。作りつけの本棚の中を覗き込むと、文庫本と新書については、そこに入れておいたようだ。それはすでに読み終わった本。じゃ、雑誌はあきらめて、何か気晴らしに読む本を、と、隣の息子の部屋の本箱に行く。まだそこには、私の本のスペースがあるのだ(積ん読本、研究関連本)。でも、本箱の目の前に、息子の洋服がハンガーに掛けられている。それをひょいとどかしながら、本を引きぬくにも、体力が要った。たった、こんな動作が。でも、数冊手にしてみた。読むか読まないかわからないけど、病院には数冊の本と雑誌しか置いてなく、読みたい気分じゃない時は別の本を手にしてみたいと。今回「可能であれば」のことが、達成し、満足した。
 さて、再びリビングのソファーへ。座っていれば、以前と同じ私でいられる。眠くなったら充分横になれるソファー。そこに息子が来ておしゃべりしたり、お菓子を食べたり。昼寝したくなったから寝てみた。気持ちよかった。在宅酸素チューブもあるから昼寝チャージということで1L吸入。満足感の状態でうつらうつらって本当に気持ちいい。うるさくない程度の家族の動きの音。ただ、トイレに行きたくなったので、またひと苦労はしたのだが。我が家のトイレは、トイレの右壁に棚と手洗いスペースがある。私のこだわった場所(手洗いは業務用の大きさで失敗したけど)。それがあるから、今回そこを支えに立ち上がれた。
 色々達成できた。まあ、夫婦でのいつもの口喧嘩はあったのだが。これも我が家の日常の風景だから気にしない。
 ふと「疲れたかも」と。満足感による疲労だが、これがオーバーワークになったら、元も子もないので、病院に戻ることに。玄関を下りることにひと苦労したけど。
 家族みんなで、いつもの病室へ!(苦笑)
 さてさて、課題。パーツ対応できる筋トレ。足腰。少し腕回りも動かしてみる。ベッド周りや歩行リハビリだけでは、本当に腕回りを動かしていない。日常を送るって、あらゆる動きの上で成り立っている。そこには筋力が必要。歩行リハビリも本当に重要。腰回りの筋力も落ちているので、バランスよく前に歩き続けるってのも本当に難しいことは日々わかっているから。