「実践研究」に求められる要件とは

 2時間睡眠でした・・・。昨日1日時間があったけど、レジュメ作成している間に、午前様になり・・・。
 先週と今日、ゼミが休講になり、その時間帯、輪読会(勉強会)に参加。月に2回ぐらい、ゼミ後(5時以降)にやっているのだが、ゼミ休講になると、その時間帯に行うのだ。ということで、私も参加できるってことで、2週連続の出席*1
 で、今日は、先週急に決まったレポーターをやってきた。私の担当は「第6章 教育・発達における実践研究」。

心理学研究法入門―調査・実験から実践まで

心理学研究法入門―調査・実験から実践まで

 出版社のサイトはこちら。(ちなみに、この本はAmazonマケプレで購入し、先週届いた。)
 私がやっているのは(まあ、そんなにやっていないけど)、実験的手法の研究なんだけど、大学院に入学する前は質的研究に興味を持っていて、M1時代は質的研究法が学べるゼミや講義に出ていた。紆余曲折を経て(まあ、色々ありました〜)最終的には全く違う研究テーマになったのだが・・・。それはそれ。で、現場教師でもあるわけだから、実践研究も「そのうち・・・」なんて思っているのだが、じゃ、「実践研究って何?」、「実践報告とどう違う?」などという疑問がわくわけで・・・。レビュー論文を書くにあたっても(今、頓挫しているけど・・・)、先行研究などをどう整理していったらいいか悩んでいるわけで・・・。とりあえず、私が気になったところを、引用しておく。

6.2 教育実践研究としてのアクションリサーチ
6.2.1 アクションリサーチの特徴
(省略)
 アクションリサーチは、実践をするだけではなく、研究としての要件を備える必要がある.他の研究法同様、研究結果として「共有可能な知識(知見)を生み出すこと」、「この知識(知見)を支持する具体的な根拠と、そこから知見を導いた探求過程を明らかにし、その妥当性を検討すること」、「得た知見を当該領域の先行知見と関連させて位置づけること」が研究としての要件となる.つまり、実践が改善されただけではなく、その過程が妥当な手法で跡づけられた新たな知の創造が必要である(Macniff, Lomax & Whitehead, 1996).(p.167)

6.4 実践研究はどう評価されるか
6.4.1 実践研究に求められる要件

(省略)
少なくとも、教育実践をただ記述しただけでは不十分で、「データにもとづいて、実践の肯定的な側面と問題点とを公平に評価すること」、「その実践に関して、何らかの心理学的理論の裏づけや、得られた結果の心理学的な意味について考察すること」というのは、心理学としての実践研究に求められる重要な要件とされていることがうかがわれる.(p.184)

 ちなみに、日本語教育学会の学会誌『日本語教育』には「実践研究」というカテゴリーはない。あるのは「実践報告」。私自身は、日本教育心理学会の学会誌『教育心理学研究』の「実践研究」のような研究論文に馴染んでいて、やるんだったら、こちらを参考にしたいと思っています。
 って、「言うは易し、行うは難し」ってことぐらい、自覚していまーす!リアルな私を知っている人が見たら「ああ、また大きなこと、言ってるわ〜」と思われるの必至(苦笑)。修行じゃ〜
〜〜〜〜〜
 次に読む本は、『学習科学ハンドブック』の予定。原著の全章、それぞれ7〜8割くらいの翻訳(抄訳)らしい。

学習科学ハンドブック

学習科学ハンドブック

The Cambridge Handbook of the Learning Sciences (Cambridge Handbooks in Psychology)

The Cambridge Handbook of the Learning Sciences (Cambridge Handbooks in Psychology)

*1:先週は「第1章 心理学研究とは何か」「第3章 量的調査:尺度の作成と相関分析」「第4章 実験の論理と方法」。今週は(私の担当以外は)「第5章 準実験と単一事例実験」「第8章 研究の展開:研究計画から発表・論文執筆まで」。