学習者にゆだねよ

 みんなの日本語 初級I 本冊何人かに「実践を書くね〜」とレスしていたのに、全く書かないまま年は越せないので、また睡眠不足になりそうだけど、その中の一つを。何と言うことはない、ただ「この作業の意味は?」「あれ、これって誰のためにやっているの?」という問いかけから始まったフィードバックの方法。
 みんなの日本語初級〈2〉書いて覚える文型練習帳私が勤めている日本語学校では初級段階では『みんなの日本語』が使われている。で、今年現場に復帰してから9ヶ月間、3クラスを担当したけれど、段階は違うけど全部初級クラス。それ以前は主に中級レベルの学生を相手に「文章指導」なる担当日を担当していたので、今年はスリーエーネットワーク(前述のテキストの出版社)の副教材にだいぶお世話になった(というか、これを利用するのが前提になりつつある宿題体制!)。文型練習など、いわゆる新たに学習した文法(文型)のドリルの丸付け作業をしていて、前述のような疑問を持つように。
 で、多肢選択の問題が間違っていたら、教師が正解を教えるのはもったいない、ましてや二択問題だったら、×などつけたらもったいない・・・正答に辿りつけなくてはいけないのは学生(学習者)なのだ。だから、いじわるして、否、教師マインド100%で、「(10問中)3問間違っているよ!間違いを探して直して再提出!」みたいなことを実践したら・・・学生は一生懸命前の日にやった問題に再び取り組み、わからなければ教科書を見直したりクラスメートに聞いたりして、全問正解へ。ついでに、この多肢選択問題の問題点、当て推量でやっている場合があるので「これはテストじゃないから、わからないところは回答しなくていいし、『(この問題)ちょっと自信がない』と思うんだったら、問題の番号に△しておいて〜」と声掛けすると*1・・・何をどの程度理解したか、教師へのいいフィードバックになります。課が終わった時点の課テストや期末試験でどの程度できるか(習得したか)が把握できるなんて「遅すぎー」と思っていたので。これまで大量の宿題の丸付けをひたすらしてきた先生方にこの方法を提案してみたら、評判は上々だったというわけ。ついでに、ほぼ全員正解なのに△マークつきだった問題があって、それは学生からのとても貴重なフィードバックとして受け取った。もちろん翌週自分の担当日に丁寧な解説ができたってわけ。

*1:読解研究でもよく使う「確信度評定」みたいなものです。○△×でもいいけど、その辺はテキトーに。教師も学生もところどころ楽して苦しんで。必要な手抜き、必要な苦しさ、を押さえなくては(>自分)