ドタバタレポーターでした・・・

 昨日の勉強会、結局ハンドアウト13枚になってしまった。ナビゲーター(レポーター)として自分が迷子になったような感じがしないでもない・・・。レポーターをやって思ったのは、とにかく『分散認知―心理学的考察と教育実践上の意義 (現代基礎心理学選書)』の編集者であるソロモン氏の論述展開が参考になったこと。そして、この本が“骨太”であること。勉強会でも話が出たが「こんなに立場が違う人が同じ本におさまる、それも批判的立場で『○○(本書の第△章)によると・・・。しかし、・・・』と堂々と論戦をしているのが、日本ではありえないんじゃないか、そしてそれが編集者が」ということ。
 昨日は、新たにM1と研究生が4人参加し、またこれまで仕事や家庭の事情で参加できなかったDの先輩達も出席でき、今後さらに多角的な議論ができる場になるんじゃないかと思った。参加したM1は語彙習得や読解研究に興味があるということで、私の大学院ではここ数年下火だった研究領域がまたまた復活の兆し。私も追いつかれないようにがんばらなくちゃいけないなあ・・・。
 今後扱いたい文献を持ち寄ったり提案がされたが、私自身が継続的に参加できるかどうかが怪しいことから「夏の集中勉強会は我が家で!」という提案だけは堂々としてきた(笑)。「夫が不在かも」と言ったら、期待度が下がったようだが(笑)。みんな、夫の手料理を期待していて・・・(苦笑)。とにかく我が家は勉強会を開くぐらいは部屋の大きさ・テーブルの大きさも十分で(自宅で日本語教室も開こうかと思ったことも。今は大型ホワイトボードも購入しようか検討中)、誰でも料理できるぐらいに台所も広いし(みんなに作ってもらう気満々♪)、是非実現させたい。数名の宿泊もOKだし。
 あ〜、話が逸れた。今後扱いたい文献としては、以下のものが提案された。

人が学ぶということ―認知学習論からの視点

人が学ぶということ―認知学習論からの視点

授業研究と談話分析 (放送大学教材)

授業研究と談話分析 (放送大学教材)

Handbook of Reading Research, Volume III

Handbook of Reading Research, Volume III

 また、私が「参考までに」と持って行ったのは下のものだが、「読みたい人が読めばいい」と。
状況に埋め込まれた学習―正統的周辺参加

状況に埋め込まれた学習―正統的周辺参加

生き方の人類学―実践とは何か (講談社現代新書)

生き方の人類学―実践とは何か (講談社現代新書)

 あっ、でも特にこの勉強会にという訳ではないが、教育を対象に研究しているのでM時代に読んでいてもらいたいのは、波多野誼余夫さんの本。今年の1月にお亡くなりになられたようで、本当に残念でならないのだが、著書や放送大学で“お世話になった”先生である。『人はいかに学ぶか―日常的認知の世界 (中公新書)』『知的好奇心 (中公新書 (318))』『無気力の心理学―やりがいの条件 (中公新書 (599))』『教授・学習過程論―学習の総合科学をめざして (放送大学大学院教材)』(改訂版は『教授・学習過程論―学習科学の展開 (放送大学大学院教材)』)、その他東大出版の「認知心理学」のシリーズなど。その他、認知科学、学習科学の本も読んでもらいたいなあと思うんだけど、それは興味がある人だけでいいし。あー、本当にM時代は本を一杯買ったなあ・・・。とにかく学部から継続して勉強していない人の集まりだから(現場教師が多い!)、認知心理学って何?表象って何?物語文法って?状態からこの勉強会がスタートし、みんな必死になって東大出版の本や、『認知心理学事典』のような事典類を手元に置き(『ことばの認知科学事典』は地元の図書館に入れてもらった)、今思えば(3年半この勉強会を続けてきたからこそ)そんなに難しいとも思えない日本語文献を“頭がおかしくなりそう”に”解読”していたっけ。ただ、こんなに手広く勉強したところで、博論が書けるのとは別問題ということも認識している。

【追記】 忘れていた。その他に、小さい実験をやっていきたいという提案も出ていた。今、MLでその参考文献が紹介されたので、ここにも載せておく。
Webを介してできる基礎・認知心理学実験演習
パーソナル・コンピュータによる心理学実験入門―誰でもすぐにできるコンピュータ実験