輪読会のハンドアウト作成開始

 先週“手を挙げた”勉強会のレポーター。今週金曜のゼミが休講になり、その時間帯を利用して開催。今日から3日間あるが、春の集中勉強会に欠席した人も来ることから、復習的なものもやりたいと思い、なんとか2日間で仕上げたーい!・・・と思ったが、疲労からPCと本を目の前についつい居眠り。突然妹からの電話で、急遽ランチを取ることにもなり、あまり進まなかった(涙)。前回は7章を担当したが、今回は4章。私が出席できるのも今回が最後かもしれないという思いと、みんな忙しいんだ、これが。

分散認知―心理学的考察と教育実践上の意義 (現代基礎心理学選書)

分散認知―心理学的考察と教育実践上の意義 (現代基礎心理学選書)

第4章 個人の認知なくして、分散認知はあるのか:ダイナミックな相互作用の観点から(No distribution without individuals’ cognition: a dynamic interactional view) by ガブリエル・ソロモン(Gavriel Salomon)

 この章では、分散認知の性質と、概念的に満足のいく理論を構築する中で果たすべき、個人の認知概念の役割について調べるために、次のような三つの主な疑問といくつかの派生的な疑問を扱うつもりである。第一に、分散認知の理論的記述の中に、個人の認知、表象、心的操作を含む必要があるかどうかという疑問である。別の言い方をすると、個人を含まずにそのような理論をたてることは“できない”のではないか、ということである。第二に、分散認知の理論を、個人への“明確な”言及なしに構築することはできないと私は考えているが、そうすると、分散認知と個人単独の認知は相互に関係しているのであろうか、もしそうならば、どのように関係しているのだろうか、という疑問である。第三に、先の二つの疑問に対する解答に基づくと、教育目標と実践に関して、どのような示唆が引き出せるのであろうかという疑問である。(p148)