「お母さんの宝物はS吾だよ」

 毎晩寝しなに読む絵本。どんなに遅い時間でも読まないと寝てくれない。眠くないのかなと思ったりもするのだが、読み終わったとたんに寝ていることもあるので、やっぱり習慣なんだと思う。最近の読み聞かせの絵本は「たからもの」の話。

ぼくとママのたからもの (こどものくに傑作絵本)

ぼくとママのたからもの (こどものくに傑作絵本)

 けんちゃんのおもちゃばこから「これはいらないんじゃないの?」と次々に出すけんちゃんママ。「だめだめ、すてないで」と、石ころ、細かく刻んだ紙、みかんの皮、キャラメルの空き箱を捨てさせないようにするけんちゃん。みんな大事な思い出が詰まっている。そのうちけんちゃんママが「たからもの」としてけんちゃんが最初に履いた靴を見せる。歩き始めた頃の嬉しかった気持ちを聞いたけんちゃん、「だから すてないんだね」と一言。
 表紙のけんちゃんの絵が息子に似ていたことがこの本を買ったきっかけなのだが、上のようなやり取りが、いつも我が家で展開される父と子のやり取りと同じ(私は片付け下手なので夫がやるんです・涙)。私がけんちゃんとママの声音を変えて臨場感溢れて読むので「おかあさん じょうずだね」とお褒めをいただいたり。そして息子にとってこの本が好きなのは、私が「お母さんの宝物はS吾だよ」と言ったからかもしれない。言った数日後に「Sくん、おかあさんの たからもの しっているんだよ。Sくんでしょ?」と言いながら、読んでほしいとねだったのだ。読み終わった後、すやすやと眠りについている息子の寝顔は本当に何物にも変えがたい宝物。