S先生が亡くなって5ヶ月

 今日で先生が亡くなって5ヶ月になる。ここのところ、色々思うことがあり、以前より涙することもある。決して沈んでいるわけではないが、こうやってブログを書きながら涙が出る。
 抗がん剤治療を受けながら、入院先の病院から大学に直行し、Cさんの博論公開発表会の司会(主査として)をしていたS先生の姿を思い出してしまう。そして、悪いことに、私自身が抗がん剤治療を受けていた時のワンシーンも思い出してしまうのだ。体の辛さというより、とにかく普通の生活を送ることにのみに専念し、思考力がなくなった状態。大きな決断どころか小さなTO DOをこなすのも大変だったというか・・・。同じだとすれば、そんな状態でS先生は学生の指導をしなければいけなかったのかと思うと・・・。まるで、ドラマを見ながら主人公と自分をオーバーラップさせ感情移入して、泣いてしまうオバサンのごとく。私は抗がん剤治療をうまく乗り切ったはずなのに、今頃その当時の感情がはっきり出てきてしまい、戸惑っている。
 Dに入学して半年後に父が亡くなり、それがきっかけでやっと第二子を授かろうと思い(結果うまくいき)、そのことで、研究はなかなか進まず、そして乳がん治療でますます進まず・・・つまり、ほとんどS先生の指導を受けずに今まで来てしまったこと、それがますます私に複雑な感情を起こさせるのだ。正直、S先生とぶつかりながらも研究指導を受けてきた他の人を羨ましく思ったり、今更なのに、Nちゃんの出産後復学してからの1年間、そして抗がん剤治療が終わって復学してからの1年間の計2年間だけでも研究を進められなかったことを悔やんだり。入院の知らせを聞いた時、嫌な予感がして電話しようかと思ったのに、「いや、また会えるだろう」と思ってしなかったこと・・・。ほんと「イマサラ」なことばかりなのに・・・。
 このループから抜け出す方法はわからない。でも、多分今やるべきことをやって、自分自身が納得する結果を出していけばいいんだろうと思っている。他の人からの評価ではなく、あくまで自分自身で。
 今頃、天国から教え子たちの踏ん張りを笑って見ているのだろうか・・・。
 ああ、父の時と同じだ。生前以上に、心の中で話しかけている。