第51回日本教育心理学会1日目

 朝5時半に自宅を出て、8時頃静岡に到着。子どもらを実家の母と叔母に任せ、静岡大学で行われる学会に参加(もちろん、発表じゃなくて〜)。
 自主シンポジウムの2つに参加した。
(9:30〜12:00)
「心理学からみた説明の効果と学校における展開 −教育現場と大学が協同で提案する説明活動の活用法−」「わかったつもり」に自ら気づく科学的な説明活動 (使える理科ベーシック)

  • 筑波大学付属小学校の森田和良先生の実践を垣間見れた。信念と実践力のある先生だと思った。数年前に読んだ本以上にワクワクさせられた。
  • 理論面からの発表では、研究を整理するいい視点を得られた。
  • <清河>「説明(活動)はいい」という前提。本当?マイナス面の報告。
  • 「説明効果」仮説説明をしているうちに、その仮説に対する確信度が高くなる現象。その後の行動にも影響する。
  • 「言語隠蔽効果(verval overshadowing effects)」*1非言語情報の認知的処理に関して言語が妨害的にはたらくという現象。言語化されなかった情報の記憶が不正確になる。(Schooler 1991,1994)
  • <森田>教室で(答えや解法など)共有するとわかったようになる、収束してしまう。“全体の状態”を見て、現場(教室)ではこれで満足してしまう。「自分は何がわかったか?」が大切。そのための実践紹介。

(16:00〜18:30)
「教材研究の教育心理学 −その可能性と課題−」

  • 満員の会場。
  • 話題提供者の発表もなかなか面白かったが、フロアーからのコメントもなかなか刺激的だった。
  • <藤村>手続き的知識「できる学力」と概念的知識「わかる学力」。関連付けによる精緻化・構造化(→意欲の向上)。学級での解法の発表会。「いい解法はどれ?」と収束。「じゃ、この解法を使ってやってみよう」となる。他の解法との関連づけができていない。結局「できる学力」どまり。
  • <東大・市川>現場の先生が言う「教材研究」って何?「研究」とは新しいことを発見すること。教師の「教材研究」と夏休みの「自由研究」。
  • <藤村/早大・麻柄>既有知識はそれぞれ違う。

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 私は外国人に日本語を指導する日本語教師。そして量的データでの実証研究を志向する大学院生。領域は違っても、両方の立場を持っていられるからこそ得られることがある。