2世代が通う床屋さん

 S吾は今まで私が利用する美容院で一緒に散髪してもらっていた。が、私は当分美容院に行く予定もないし、ここ数年担当してくれていた美容師さんも去年の秋に辞めてしまったので、今後は別の美容院を探そうと思っている。数日前、S吾が「もう髪を切りたい。そこの床屋に行く」と言い出した。町内にある、70代の女性がやっている床屋。私はずっとそこに行けばいいと思っていたけど「お母さんと同じところでいい」と言い続けていたので、一緒に美容院に行っていたのだ。
 我が家と同じ通りで、ほんの数ブロック先の床屋。「ここの通りの○○です。△△(2階の甥っ子)の従弟です」と挨拶したら「お父さん、そっくりね」と。そう、ここは夫が小さい頃にも散髪してもらっていた床屋。小さいお店、普段そんなにお客がいるようには見えなく、細々と続けているのだと思う。
 S吾にそんなに話し掛けるふうでもなかったけど、終わってから私に「お母さん(=義母)は元気?」「(S吾とNちゃん)二人とも本当にお父さんにそっくりね」などと。子どもらはお菓子をもらって、嬉しそうに退散(Nちゃん、ぐずっていたくせに、お菓子を差し出されたらニコッと・・・)。
 今度からはS吾一人で行かせられる。
 4月以降、子ども会が無くなる、この町内。保育園と学童利用で、それほど近所で遊び回らない我が家の子どもらは、両隣以外の大人たちから見ると「どこの子?」状態。今日、一人、目を掛けてくれるだろう大人と出会った。