Weeklyパクリ9回目

新設クリニックで抗がん剤投与

 クリニック移転で5日間休診だったため、開設日の今日が投与日に。主治医の自宅の1階がクリニックに。S吾を実家に預けるため実家の母が来てくれ、ついでにクリニックの場所を教えるからと駅方向へ(Nちゃんはファミサポに保育園に送ってもらった)。が、開設祝いのお花を忘れた!と、母とS吾にバイバイし、自宅へ戻る(涙)。今度こそ、所要時間を計ろうと・・・トコトコ歩いて15分掛からなかった。
 クリニックの入り口ドアには、書を楽しむ主治医の力が抜けた字で「開設10周年を向かえ・・・」「どうぞお気楽にお入りください」などと書かれた半紙が2枚ほど貼ってあった。自動ドアを開けて入ってみると、花花花〜。私が着いてからも、花屋や宅配業者からもどんどん届く。
 「○○さ〜ん!」と看護師に呼ばれ「どう調子は?」「いやー、寝不足でー。7月終わったから振り返りしていて〜。抗がん剤投与だってのに・・・(苦笑い)」。「狭いわよ〜」と処置室に案内され(「わー、ほんとだ」と)、血圧を測る。上が100超えてた!いつもは90−50。先週の投与日の夜から3〜4日下痢が続いたことを報告。そして整形外科のことも。6年前に大学院に入ってから、8キロの体重増加に加え、PCとニラメッコで目と手先しか動かしてなかったところに、Nちゃんを妊娠し出産したわけだから・・・とそんな話を。「やっぱり動かさないとね〜」と。
 次は診察室に呼ばれ、主治医が「どうよ〜、この棚、落ちてきそうに思えない?」と机の上の方から天井まで括りつけられた書棚を指差す。「あー、お花、どうもありがとうね〜」と、他の豪華な花と違って、机にちょこんと飾られたケイトウの小さな鉢(420円也・笑)。「あの花、見た?『アリス』っていう名前のレインボーローズっていうんだって。わざわざオランダから取り寄せてくれたんだよ」と、上機嫌な主治医。・・・「じゃ、19日が手術ってことでいいんだよね。・・・最初にさ、この部屋を見てもらおうと思ってさ〜」と、〆に掛かる主治医。点滴は狭い処置室でやるということで。
 待合室で再び手の甲から腕の辺りをホットピローで温めていると、処置室へ呼ばれ・・・「先生、どちらに座るんですか?」「なんか、そこみたい。院長の部屋でやると思ったんだけどね〜」。「おまた〜」と超ご機嫌に主治医が入ってくる。「狭いでしょう。前の広さの半分だよ。みんなが『これ、どこに置けばいいの?』『ごめん、どうにかして!』って。でもさ、メリットは(患者に)何かあったら『ウチまで来て〜』って言えるしさ〜」とニコニコ顔の主治医。私からは「狭くなったとはいえ、みなさん、動線が決まらないから、前より動き回っているじゃないですか」と。で、ここのところ、同じ場所に点滴しているけど(手の甲)、今日は今までで一番痛くなかった。いつもながら、上手いと思う。痛い時は、「弁にぶつかったか、じゃ、こうはどう?」と、血管内で針をスムーズに移動してくれるし。―――――ということで、約3時間強の点滴開始。乳がん治療日記 まんがおっぱいがたいへん!!
 待合室には、私より若くみえる方が来週からの抗がん剤治療予定をもらっていた。下の名前で呼ばれていたから、以前からの関係者のお嬢さんなのかも。受付サイドの下に本棚があり、以前から読みたかった『おっぱいがたいへん!!』(web版はこちら)を手にする。漫画家による乳がん体験記だ。寝不足だから最後まで読めるかと心配していたけど、読了。病院や医者によっての診断の違い、治療方針の違いなど、すったもんだが描かれている。また、地方の人間があっちこっちの病院を掛け持ちし、特急や高速バスで通院していたなんて、本当に大変だっただろう(ちなみに、作者と同郷だから苦労が想像できる!)。私は放射線治療の可能性が低くなったため、都内の大学病院への通院が免除されそうで、ほっとしているところ。治療はじめる前は「フルコースかも」と言われていたし、MRI等でお茶の水まで行った時には「1ヶ月通院になったら、この辺りを散策しよう!」と張り切っていたけど(今思えば奮い立たせていたという方が正直なところだろう)、もうこれ以上「頑張る」治療は疲れたよ・・・(涙)。まあ、抗がん剤の影響から解放されたら、もう少し前向きになれるんだろうけど・・・。
 今までより狭い待合室、新設の興奮からかスタッフも患者も活気づいているというか、おしゃべりしやすくなっていて「花の園、女の園〜」なんて言葉も飛び交う。(スタッフ、看護師)「この花、きれいよね〜。造花だと思ったけど、生花なんだよね」(私)「写真撮っちゃいましたよ」(患者、看護師)「じゃ、私も撮るわ〜」と、1時過ぎた辺りから写真撮影会。それが、この写真。主治医の医者仲間からのレインボーローズ、奥に見えるのが女子プロゴルファーからの蘭(?)。
 写真撮影会が終わり(笑)、私の点滴もあと少しというところで、看護師から「最終的に温存か全摘か決めて、来週早々に電話してくれる?」と。全摘希望だけど、お言葉どおり決定を来週早々に延ばすことに。殆ど夫と話す時間がないものだから、私が決定するにも決定事項ぐらい夫に伝えたいし、再度夫の考えも聞きたいし、ということで。念のため、二期再建の場合はどこの病院を紹介してくれるのかも聞いてみた。品川の女医さん。まあ、つまり今の主治医の下で乳がん手術と同時再建はできないという意味でもある(元々希望なし)。で、またまた念のため、温存した場合に断耐陽性の場合(あるいは疑いの場合)どうするかも確認。やはり再度手術(追加切除か全摘ということでしょう)。これも、ままある話だし。手術日変更がなければ、手術前にこのクリニックに来ることはないだろう。クリニックそばの中堅のO病院で術前チェック(12日)、そして手術当日の朝に入院。執刀医は主治医。クリニックの看護師は手術翌日から毎日チェックに出向いてくれる。ほかは、O病院にお任せということだろう。私の内科・整形外科やS吾の小児科でも利用はしたことがある病院。全く馴染みがないわけではないし、駅そば、また我が家から徒歩10分という立地。付き添いの家族にとっては本当に楽な場所なはず。
 2時頃クリニックを出て、空腹を満たすべく、近くのホテルのビュッフェを覗いてみるものの、カレーフェアをやっていて食べる気がせず、駅まで行き、高○屋のレストラン街で海鮮丼&おでんセットを。この時点では抗がん剤の影響でボーと。酔い覚ましもあって、そのまま、駅ビル(高○屋)で東△ハンズやら本屋をぶらぶら。以前チェックしていて欲しかった絵本と、「若いときに読んでおけばよかった」とずっと思っていた本(文庫)2冊を購入。最近財布の紐が少しずつ緩み始めている・・・。酔いがさめた頃(4時過ぎ)、その足で保育園に行き、Nちゃんをお迎え。今日から数日間、S吾がいない生活。スーパーでの買い物も、慎重にせねば、と。まあ、また手抜きで、Nちゃんにはレトルトカレー、私は手作りお握り、そして昨日の残り物・チヂミが夕食。
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 前の晩の睡眠不足、点滴中も30分も寝ていない状態で、夫のSkypeがオンラインになるのを待つ。2時間の時差とはいえ、帰宅が遅い夫と話すのは本当に難儀。今晩はNちゃんが早く寝てくれたし(毎晩S吾と遅くまで遊ぶから遅寝なのだ)、今日を逃したらいつゆっくり話せるかわからないので、ずっと待っていた。夫に相談することは特にないし、10時過ぎているけど、乳がん経験者の友人に電話を掛けようかとか思ったけど、考えてみると、相談して決定する項目は殆どないんだよな、と。再発リスクをやはり少なくしたいんだから、「全摘でいいよね?」ということ、そして「それでいいよ」と言って欲しいだけなんだな、と。外見(整容性)はそれほど気にならないけど、体への負担が気になるんだよな、とうだうだと考えても、結局はその時その時の自分自身を受け入れていく作業が人生なんだよなと、一人結論に達する。胸を残す・取るということよりも、リンパ節郭精をするんだから、そっちの方が体への負担や日々のケア、そして後遺症への不安で大変になるんだろうし、と。
 11時過ぎに夫と連絡が取れ、約1時間あーだこーだとおしゃべり。「R君が日能研の夏期講習に通っているんだって」「S吾も行かせてみたら?」「そうなんだよね、刺激のある勉強させたいんだけどね」などなど、『ほんのちょっとした会話』もできた。この4ヶ月間で何分話したかって程度なのに(苦笑)。一時帰国中の予定を聞き、手術時間やら実家の母の予定を伝え、義母(夫の母)の様子も伝えた(やはり心配しているのだと思う)。また、「ホーチミンに行く話はとりあえず、冬まで考えたくない。もうこれ以上悩む話は勘弁」と伝えた。ホーチミン行きは夫も悩みどころ。だって、家族が一緒がいいというスタンスなのに、朝から夜遅くまで働き、月6日ぐらいの休みでも出勤や付き合いで外出することも多く、「家族が一緒」の時間を取れないだろうと予想がつくから。3ヶ月に1度の一時帰国、そしてS吾の長期休みに私たちが遊びに行くという方向でもいいのだ(まあ、私の過敏性腸症候群と腰痛の闘いでもあるのだが←乳がんより深刻!)。・・・子どもがいなく、余裕を持つと、夫にガミガミ言わなくて済むというのが本当にわかった。いつもはこちらが忙しいか、せっかく話せても夫は子どもと話したがるし。結婚13年目、しかもすれ違い生活、なかなか難しいものだ。
 心が決まったら、手術までにやることをこなしていかねばね。入院準備もそうだけど、ごみの巣窟のような我が家を、きれい好き・片付け上手の夫には見せられないから、片付けだね〜(嗚呼)。