しこりが小さくなっていた!/Weeklyパクリ7回目投与

抗がん剤投与風景

 「えっ、クリニック、今日なの!?」
 月曜に予約が!・・・「ずっと火曜投与だったので、明日だと思っていまして」と電話口で平謝り。「今日、これから来られます?」「えーと、下の子、保育園を休ませちゃったので、明日でも大丈夫でしょうか?」
 1週間以上ずっと凹み気味だった気分が、月曜夜に最悪に・・・。夕飯作らず、読み物していたら、8時過ぎに、S吾が、Nちゃんに小さいお握り(こ結び)、私と自分のために普通のお握りを用意してくれた・・・(涙)。
 そんなこんなで、火曜朝にクリニックに出向いたら、泣きそうな自分を抑えるので精一杯。看護師さんの前かな、それとも主治医と話している間に泣いちゃうのかも・・・と、どこで泣き出すか自分でもわからないぐらい不安定な状態に。
 今の抗がん剤(weeklyパクリ=タキソール)に変更して2クール終了ということで、まずは効果確認のために超音波(エコー)検査。時々画面を覗いてみるも、さっぱり“読めず”。腋下はささっと済まされたけれど、胸部は時間が掛かった。終了後、中待合室で待っていると、看護師さんが「効いているわよ〜!」と大喜びで報告しに来てくれた。なみだ目。うれし泣きでなく、ストレスが溜まりすぎて・・・。でも、せっかく泣くなら「これまで頑張ったんだから、ご褒美(=しこりの縮小)だよね」と、自分に言い聞かせる。
 主治医と。しこりの大きさが1.5ミリくらいになっていたこと、腋下のリンパ節の影が「通常に」なっていることが報告。タキソールの効果があった、ということ。
 「さて、どうしようか」と。術式を考えるということ。
 「以前のMRIで広がりがあったわけだから、エコーでいくら小さくなっていると言われても、癌細胞が残ることは嫌なので、全摘でいいかなと思っているんです」と、今回の結果に関係なく、今まで自分の中にあった“決断”が、私の口から淡々と出てくる。
 全摘といっても、ニュウトウ・ニュウリンを残すか残さないか、その辺まで詰めなければならない。希望すれば、将来乳房再建も可能なわけだし、正直美容面でのこだわりはあまりない方なので、全部取ってもらっちゃうか・・・。
 タキソールを投与中に、主治医と話したことで不明な点を看護師と話した。私には前の抗がん剤(EC療法)が効果がなく、タキソールが効果があるとわかったんだから、術後にやると思っていた、ECの残り2クールは「やらなくていいのではないか」とのこと。最近では手術前に抗がん剤治療もよく行われるようになったけど、これまで多くの患者が、術後に“標準治療”としてECだと4クールというようにエビデンスに則ってやっていたわけだけど、看護師さんは「“エビデンス”といっても、全員に効くわけではないのにと、ずっと疑問に思っていた」そうだ。術前治療を受けることによって、個人個人に合うかどうかというのがはっきりわかるというのが、術前に抗がん剤を受けるメリットの一つ。その結果、私には「EC(=アンスラサイクリン系)よりタキサン系が効く」というのがわかったのだから、「(残りのECは)やらなくてはいいのではないか」ということなのだ。正直、“みんなが”やっているのを短縮するということに不安を感じたのだが、理屈上は「もっともだ」と。乳がん診療ガイドラインの解説―乳がんについて知りたい人のために (2006年版)
 昨日は気分転換も兼ねて、カフェに行き、その辺りのことが書かれれていないか手持ちの本を読み直した。また数軒の本屋で立ち読みしたのだが、通常の本では標準治療が書かれているだけだったのだが、日本乳癌学会の『乳がん診療ガイドラインの解説 2006年度版』には「抗がん剤治療が効かない患者さんが1〜2割程度います。このような患者さんでは、効果がないと判断した時点で、別の抗がん剤に変更する、手術を早めに行う、放射線治療に変更するなど、治療方法を変更することができます」(p97)と書いてあり、今週だけでなく、今まで何回か主治医との間で話していたことが、再確認できた。告知の際に「最先端医療が“いい治療法”じゃなく、患者の状態に適した治療法を“タイミングよく”行うことが“いい治療法”」ということを話してくれた意味が、これまでの治療を振り返るとよくわかった。
 さて、昨日の昼まで「全摘でも」と考えていた私。急に「あれ、手術を1ヶ月延期して、今の抗がん剤を術前に全クールやりきったら、もしかして(今以上に)温存の可能性が出てくるのかも!」と思うようになってしまい・・・。これは美容面というより、「体への負担」ということを、本を読み直している内に考えるようになってしまったから。でも、今朝、手術予定日2日前に一時帰国する航空便を予約した旨の夫からのメールを受け取り・・・。嗚呼、今更変更なんてと思ったりしたらどんなに周りに迷惑を掛けるか(&S吾の運動会との兼ね合いも)、でも聞いてみるだけ聞いてみようかと思ったり・・・何だかガンジガラメだ。
 今しばらく(とも言っていられないか)、情報を整理し、自分のプライオリティを整理して決断しなければ!

追記
 地元のがんセンターや大学病院を選ばず、小さなクリニックで治療を受けている私。受付のある待合室で抗がん剤投与。ボンレスハムのような腹回りをお見せするのは恥ずかしいけど、大きな病院で治療を受けている人とは違った風景をお見せしたいと、写真をアップ!
 初めて来院する人はびっくりすると思う。自動ドアが開いたら、この風景なんだから・・・。基本的に治療するには待ち時間はほとんどない。ソファーに座り、何かあれば看護師もスタッフもひざまずいて話をする。基本的には患者を見下ろすことはない。毎回「コーヒー、紅茶、お茶、何かお持ちしますか?」とスタッフが聞きにくる(今週は持参したので遠慮)。タキソールにはアルコール分が入っているので、このソファーでグーグー寝てしまう。投与から2時間もするとトイレに行きたくなるので、がばっと目を覚まし、ポールから点滴の袋を外し、目の前のトイレにトコトコと。
 小さなクリニックのメリットとデメリット。手術は近所の病院で、3泊4日。クリニックにも病院にも支払いがあるので、少し高い治療費になる。また、ドレーンをつけたまま退院の予定。退院後、またクリニックに毎日通院。まあ、私は徒歩10数分なので丁度いいのだが。今の場所は結婚式を挙げたホテルの隣なのだ!私は結婚式も、出産も、癌治療も徒歩圏内(笑)。8月1日には主治医の自宅1階に引っ越す予定。こちらも歩いていけるので、なんら問題がない。問題があるとすれば、駅近くなので、投与日には帰りに散財してしまうこと(苦笑)。