個性的な書き手/そして初級クラスの担当へ

 今日の授業のこと。作文では終助詞の「ね」を書かないこと、アラビア数字と漢数字の使い分け、「AとかBとか」あるいは「お母さん」「ママ」「妹さん」などは書かないこと、カタカナ語も原稿用紙に1マスに1字しか書けないことなどを確認・・・(涙)。どうしてよ〜、と心の中で叫びながら。教師としては「教えた」項目ばかり(涙)*1。10月生の難しさ*2ももちろんある。
 さてさて、作文を書かせると、学習者のこれまでの“日本語の学び”が見えてくる。それ以上に、学習者がそれまで母語で書くことを楽しんできたか、というより、書き慣れているかということが見えてくる。大学(院)や専門学校に入学を希望する学習者を対象に教えるとなると(“予備教育”と呼ばれる)、あと○ヶ月で合格させるレベルに到達させるというのが教える側の一つの目標になるのだが、1人1人の学習者のレベルが様々で(いろんな意味で)、色々と悩むことが多く・・・クラスとして教える場合、毎度の事ながら「きっつい」と思いながらも、何とか短期的、中期的、長期的な観点から、指導・助言・支援・励ましを行っている。
 ・・・と、ここ数週間今のクラスの学習者を想定しながら色々悩みながらやってきたのに、今の学校、3ヶ月シフト制をとっていて、自分自身で「あと3ヶ月は今のクラスだろう」と勝手に想像していたのだが、7月からは新しくできるクラスの担当になることが発表された。あいうえおからのクラス。このレベルを教えるのは、本当に本当に何年ぶり???S吾を産む前にやったきりかな・・・。今の学校では、中級以上を教えることが多かったので(それも殆どが文章指導)、不安7割楽しみ3割という感じだ。今のクラスで初級後半の文法を教えていた際に「もう一度、初級レベルの文法項目(の教え方)のおさらいと、副教材をまとめたい」と思ったばかりだったので、ある意味、いい機会かもしれない。S吾を産む前に一度、『しんきそ』*3の全50課を、教える際に必要な絵教材・配布プリントなど課ごとにファイリングしていたのだが、それも大分古くなっているので使いやすく作り直そうと思う。こう思うようになったのも、もし夫の赴任に伴って海外に行くことになった場合、いつでも教えられるように教材(特にテキストじゃないタイプのもの)を機動的な状態にしておくと便利かも、と思ったから。「不安7割」の中には漢字圏・非漢字圏ごっちゃのクラスで漢字学習を導入することになることも含まれる。4月スタートの初級クラスでは漢字圏学習者が非漢字圏学習者をサポートする学び方をやっているらしい。まあ、周りの先生方と(もちろんチームティーチングする先生とも)相談しながらやっていきましょう。そうしましょう・・・
 それにしても、いつも思うのだが、3ヶ月制はやめてほしいぁ・・・嗚呼、でも校長に言えないよ。

*1:私をこれまで教えてくれていた教師の心中、お察しします・・・

*2:10月から日本語学校に入り、1年半後に進学する。そのため、初級レベルの教科書を駆け足で学習しなくてはいけなく、作文などのアウトプットの時間(表現活動・産出活動)は2年間学習する4月生と比べて極端に少ない。もちろん聴解力も充分でないと思われる学習者も多かったりする。だから「教えた」つもりとのギャップが激しいことも。

*3:もう時代を感じるねー(苦笑)。S吾を産む前はビジネス日本語なども教えていたこともあったけど、その当時はそれほど教材は揃っていなく、ポツポツと出始めた頃で、でもそのテキスト類も今は殆どが「新装版」だったりする・・・。