うーん、返事に困る

 朝寝坊ができる土曜。1枚の布団にNちゃんと私が一緒に寝ているのだが、「お母さん、もう起きようよ〜」と言いながらS吾が割り込んできた。Nちゃん大好きな息子、私を追い出そうとする・・・。
 で、何を話していてそんな話になったのか、先天性奇形(?)の爪を指し「爪、生えてくる?」と聞いてきた息子。今まで爪のことを、こういう直球で聞いてきたことがないので「ああ、とうとう来たか」と。
 さっちゃんのまほうのて (日本の絵本)息子は絵本『さっちゃんのまほうのて』(主人公のさっちゃんは手の指が無い先天性四肢障害児)を何度も読んでいたこともあってか、自分から「お腹の中で怪我をしたの?」と聞いてきた。だから、私も「そうなの、お腹の中で怪我をしたの」と答えた。・・・それで収まるかと踏んでいた私、次の「どうやって怪我したの?」という質問に答えられなかった。この間の質疑応答は和やかなものだったこともあり、「どうやってか・・・転んだわけじゃないしね(ガハハハ〜)」という意味不明の答えを。絵本の中の話を参考にしようと、この本を買ったけど、やっぱり個人個人で対応が違ってくるわけで、また、我が家の場合、やっと小1で聞いてきたから、ただ単に「お腹の中で怪我をした」の説明じゃ、説明不足になる。ハテ、今度聞かれたとき、何と答えようか・・・。
 で、その後は副耳のことを聞かれた。「(指でいじりながら)ここ、取ったら、普通に戻る?」って。「普通に戻る」って何だ?と。これもなかなか即答できなかったのだが、まあ、なんというか「これがS吾だよ」みたいなことを話した後「麻酔をかけて、切ることもできるよ。S吾がどうしても切りたいというなら、3年生か4年生になったら切ればいい」と話した。私は切ることもない、このままのS吾で(が)いいと思っているのだが、本人が違っていたら、それは尊重しないといけないな、と。で、何故こんなことを聞いてきたのか知りたくて、「誰かに耳のこと、言われたの?」って聞いたら「うん」と。クラスの誰かが「チチ(乳)」と言ったらしい。で、多少気になっているようだ。名前は明かさなかったけど。保育園時代も耳を何度も友だちにいじられても嫌だと言ったことがなかったのだが、やっと7歳になって、“人に言われて”気になるという感情が生まれてきたようだ。まあ、今までも嫌だとか思ったかもしれないけど、家でも「誰々に何かをされて嫌だ」ということを話さないので特に聞かなかった。副耳は形成外科に行けば切ってもらえるが、息子はそれ以上に気にしているのが、耳の形。最上部の丸くカーブになっている部分がちょっと形が変で、多少しこりっぽく硬い部分がある。「ビー玉が入っている」って。それが嫌だ、と。でも、これは治せないよ、と。
 で、爪のことも誰かに言われたかと聞いたら「別に言われてない」と。保育園時代(年中)、年長さんから「爪なしS吾!」って大声で囃し立てるように呼びかけられたことがあったが、私はかなり動揺したものの(って、後から先生の前で大泣きしたんだけど)、息子はいつも通りで、何の感情の変化も表さなかった。
 なかなかこういう話って難しい。「みんなと違う」理由を知りたがっている時、何て答えればいいのか。本人に「気にするな」と言うのは簡単だ。でも、求めている答えはそれじゃないかもしれない。でもねえ、本当、“生まれつき”は仕方がないんだよ。そういうの、本人が自然に会得してほしいと思ってしまう私って、いい加減なのかなあ。