なんとなく春樹

 去年の3月に文庫化されてすぐ買った村上春樹の本をなんとなく読み始めた週末。元々は、齋藤孝の『原稿用紙10枚を書く力』の中に「文体を持っている人は、自分の立ち位置を明確に意識している」(p160)ということで、この本が「一人称と三人称を書き分ける」云々と紹介されていたことがきっかけで購入。上下巻で1000ページを越えるということもあって、なかなか手を出さずにいた。

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

 土日で一気に読んでしまった。15歳の「田村カフカ」と名乗る少年の成長物語と言えばそうなるのだが、何だかどうまとめたらいいのかわからない内容。でも一気に読んでしまったということから考えると(こんなに超長編は久しぶり!)、長いことが苦痛にならないくらいストーリーに乗っかれたということ。
 村上春樹はデビュー作の『風の歌を聴け (講談社文庫)』ぐらいしか読んでいないと思う。スコット・フィッツジェラルドの『マイ・ロスト・シティー (中公文庫)』の翻訳、ジョン・アービングの『熊を放つ〈上〉 (中公文庫)』の翻訳で親近感はあるのだが。