初めての研究発表、無事終わる

 昨日、修論研究の一部をまとめたものを研究会で発表した。発表題目は『日本語学習者同士が読解過程を共有することの説明文理解への影響 −個人読みとペア読みの比較−』で、読解文を読む時に仲間と協力し合いながら読んでいくとよりよく理解できるのか?それとも違った読みになるのか?というのを、理解表象から分析考察したもの。
 まあ、いつものことなのだが、準備がギリギリでしか終わらなく、朝の8時くらいにパワポと発表原稿(カンペ)を終わらせ、プリントアウトして、大学に向かう電車の中でクチパクで練習。えっ、20分もない・・・?と、愕然とする。こんなに準備不足なのに、午前にある某ゼミOG主催の研究会(勉強会)には何が何でも出席したく12時まで参加させてもらった。とっても刺激的な時間。最高学府T大のある方の研究に刺激され、同じような枠組み(研究デザイン)をL2日本語学習者読解研究でできないかとM2の初夏までこだわった内容が直接聞けたのだ。これからまとめる博士論文の枠組みも聞けた。
 とにかく、午後。自分の研究発表。徹夜その他で体調がよくない中、時間が来たので、思いっきりやることに。ギリギリまで考察を深めたつもり。“専門的知識がなくてもわかるもの”にこだわったつもり。それを発表した。で、笑いを取った・・・と書いたら変なのだが、たまたま小さな教室で発表ということもあり、“聴衆とのインタラクションありの部分”で反応見ながらアドリブを入れたのだが、成功したのか、笑い声や笑みが会場から出た。既有知識と説明文の文章中の情報にズレがあった場合、知識の組み替え・変容が必要なのだということを聴衆に体験してもらう方法をやってみた。自分でも賭けだったのだが、こういうやり方を学会や研究発表会で聞いたことがないのだが、チャレンジ。初めての研究会発表なのにできたのは、多分、日本語教師をやってきた経験からだと思う・・・。
 終わってみれば発表時間(25分)をいっぱい使って終わったようだ(もう緊張していたので正確な時間はわからず)。コメンテーターからありがたいお言葉も頂き、質問に答えたら(「緊張していて、答えになっているのか自分でもわかりませんが、大丈夫でしょうか?」と言ったら、またしても笑いが)、司会者から終了の言葉。ゼミ仲間や私の発表を初めて聞いた知り合いから「すごくよかった」「おもしろかった」という反応を聞き、無事終わったことを実感する。2日前の状態から比べたら、自分でも雲泥の差でよくなったのはわかったが「研究が面白い」と言ってもらえたのは、今後もがんばっていこうという気にさせてくれた。博士に進学してから研究の方向性でずっと悩んでいて、M2時代に取ったデータと向き合う元気があまり出てこなかったのだが、やっぱり自分の直感を信じてデータを見直しし、未分析データを使ってもう少し厚みのある研究にしなければと思った。このデータを取らせてくれた日本語学習者やその所属機関に対しても、取る際に補助してもらった実験アシスタントに対しても、そしてデータすべてが中国語と韓国語でデータを起こしてくれた10人近くの留学生に対しても、そして5人近くの評定(採点)者に対しても、あらためて感謝の気持ちが。もちろん同期やゼミ仲間にも♪そして今日のコメンテーターの先生、そして聴衆(20〜30人?)に対しても、感謝、感謝なのだ。
 あまりにもフラフラしていたので、懇談会を失礼して帰ってきたのだが、最寄り駅で友人からの「もう駅に着きますよ」という声で爆睡から目覚め、電車を降りた。一緒に帰ってくれる人がいてよかった。一人で乗っていたら、確実に乗り越し、終点をUターンして都内に戻っていただろう。とにかく、昨日の晩は、日記も書けないぐらい疲れた。

【追記】私の研究でも実験アシスタントとして協力してくれたM2の後輩もがんばっていた。聞けなかったのは残念。私と違って、丁寧できちっとしているし、いい修士論文になると思います。