初めての虫取り

 息子がずっと「虫取り」をしたがっていた。買うのではなく、取る。今年の夏は夫が不在のため、両親頼みになってしまったのだが、事前に父に父の実家周辺をリサーチしてもらっていた。両親が住む(私が7才から18才まで住んでいた)家の周りは、宅地開発が進み雑木林もまったくなくなったことから、私の幼少期の体験を息子にさせてあげることができない。そして、父の実家周辺に行けば絶対カブトムシは取れるだろうと思っていた。
 で、実家より少し田舎の父の実家。聞き込み調査からあの辺りがいいのではないかというところへ夜になってから、父・母・私・息子の4人で行ってみた。外灯を目指して。山に入るのは今年はやめて、外灯狙い。しかし、今の外灯、虫が集まらないようになっているのかな、虫が集まっている外灯を探すこと自体が難しい。
 狙った場所は、昔、くぬぎの木がたくさん茂っていた場所。現在、健康ランドのような施設。8時過ぎてから安くなるらしく、大勢の家族らで賑わっていた。で、その駐車場や、周辺の道路を少し歩いたが、いくつかの外灯以外は全く虫が集まっていない。母も仕事関係の知り合いから、私の実家の近くの図書館周辺もいいかもという情報を得ていたが、よくよく見ても、くぬぎ林ではなく杉林ばかりで、相変わらず外灯に虫はいない。
 その頃には、今日1日テンションが高かった息子は車の後ろ座席で眠りこけていて、初めての虫取りは終了となった。年老いた両親に「山に入って虫取り行ってきて」と頼めないので、本格的な虫取りは来年になるのかな。それにしても、田舎は田舎なりにどこもかしこも開発され、私が幼少期にあった自然が失われていた。