楽しいです、読み聞かせ♪

 昨晩(深夜)、今日読む本を選んだ。とはいえ、なかなか決定できず、夜中の1時に時間を計りながら、数冊声に出して読む。が、なかなか決定できず・・・。どういう流れで読んでいくかイメージが定まらなかったが、ぎりぎりまで考えようと大雑把に選んだ本を5冊ほどバッグに入れて小学校へ。ちょっと早めに到着したので、図書室前に並んでいる「図書委員からのお勧めの本」を眺める。1冊読んでみたところ「いいじゃん」ということで、急遽その絵本を教室へ持っていくことに。
 廊下でカッパなどをしまうことができず、お兄ちゃんのナビゲーションで、教室に入る準備をしている子がいたが(これを先に持っていって、次にこれを持っていくのだ等と指示されている)、担任が職員会議に出る頃には子どもたち全員が座席に着席。週2回の読み聞かせ活動が定着していて、子どもたちが楽しみにしている時間(高学年は?)。
 まずバッグを教壇の上に置き、子どもたちの様子を窺いながら(半分演技)、バッグの中から1冊取り出すのが私のパターン。今日もそんな感じでスタート。「この本、さっきね、下の図書室の前のテーブルで見つけてきたんだよ」と、『ぼくはぞうだ (かがくのとも傑作集)』の表紙を見せる。「面白いなあと思って」と言いながら、裏表紙も広げて、地球の上に描かれているぞうに注目させる。子どもたちが食い入るように見ているのがわかる。大きな声で読み始めると、夢中になってくるのがわかる。といっても、私の場合、近視&乱視ではっきりと表情が見えるのは前の方。ただ雰囲気というか空気で30余名が集中しているのがわかる。

この本、ぞうを取り上げているが、物(事)を多面的に捉えさせようとしているところが面白い。
 次の本、バッグの中から選ぶような振りをしながら取り出し「知っているかな〜〜?」と。知っている子が結構いた。「家にあるー」という子も。この“知っているけど忘れちゃっている”“見たことがある””タイトルを聞いたことがある”というのが、食いつきがいいのだ。そして、そんな中“全然知らない”っていう子がいるのも更にいい。それでみんな読みたがるから。
めっきらもっきら どおんどん (こどものとも傑作集)

めっきらもっきら どおんどん (こどものとも傑作集)

とにかく、この本は、絵の構成といい、雰囲気といい、主人公の男の子が「めちゃくちゃにうたう」歌もいい。まあ、つまり、私が適当に節をつけて大きな声で投げやりっぽく歌うのだが。で、ウケた(笑)。声に出して笑っている子も。主人公が遊ぶ羽目になる日本的な妖怪3人組、そしてそれがおちゃめで、子どもっぽいのがいい。
 私は次から次へと読むタイプ。読み始めるときには何か話すのだが、終わったらすぐにバッグに手をやる。次は「今度は絵のない本を読むよ〜」と言うと、最前列に座っている男の子が「えー、嫌だよー。あと5分しかないよ。絵本がいい」と。私の目の前にいた女の子は「いいよー。絵のない本でもー」と。私はこればっかりは「読むぞ」と心の中で決めていたので、その男の子を見ながら「じゃ、さっさと読んじゃおう。終われば、次は絵本、読むから」と、ささっと読み始めることに。「詩だよ」と話すと、ポカーンとした顔、顔。「『こくご』の教科書で4月に「あいうえおのうた」をやったよね。あれが詩だよ」と。本を見せながら「今日は谷川俊太郎さんの詩を読むね」と。先月の「親ゆび姫」の朗読で味を占めたので、是非とも朗読を取り入れたかったのだ。息子が1学期中に何度か音読していた詩「いまとむかし」(『すき―谷川俊太郎詩集 (詩の風景)』)。「おじいさんは ちょっとまえはおじさんだった もっとまえはおにいさんだった もっともっとまえはぼうやだった もっともっともっとまえはあかちゃんだった」で始まる詩で、もうその辺りで、子どもたちはニコニコしながら、そして声を出して笑う子も出る。続いて「そのもっともっともっともっとまえ おじいさんはどこにいたんだろう?」になると、何人かは「おさるさん!」等とクイズのように答えようとする。この詩は4節に分かれていて、2節目、3節目はよくわからないままに進んでいくようだったけど、4節目になると「むかしすごいじしんがあったんだって むかしにうまれなくてよかった でもじしんはきょうあるかもしれない」という形でいくつかの事象の今と昔を描き、いい所と悪いところ、どっちもあるんだ、比べるのは難しいけれど昔を忘れちゃいけないということを詠っていて、多分子どもたちの心に響くものがあったと思う。うん、この詩もいいけど、本当に朗読という形もいい。
 で、8時半まで「あと1分だよ」という指摘もあったが、絵本で締めくくろうと、バッグの中を探すようにして、短めの絵本『ぼくはあるいたまっすぐまっすぐ (世界こども図書館B)』を取り出す。年齢的にもう少し下の子向けだが、主人公の男の子がおばあちゃんの家を目指してまっすぐ歩いていく途中で出くわす、色々な“冒険”は、聞いている子どもたちにとっても楽しいもののようで、「えー、違うよ〜」(おばあちゃんの家じゃないよという意味)と声が掛かる。時間が過ぎているのがわかっていたので、読み終わった時点で「じゃ、今日はこれでおしまい」と絵本を閉じると、委員が前に出てきて「ありがとうございました」とお礼を言ってくれた。
 15分+αの楽しい時間が終わり。今日は何だかとっても充足した気分になれた。何を読むか全然決めていないで教室に入ったけれど、この4冊を読むのは必然性があるような、そして順番に意味があるわけじゃないけど、それでも必然性があったような気に。「何なんだろう、この気分」ってな感じ。読み聞かせした本をノートに書くために、資料室へ。そこで、1年の取りまとめをやってくれているOさん(4組のママ)に「朗読っていいですよ」とお勧めした。「2学期になってからの集中力ってすごいよね」と、2人して子どもたちの成長にびっくりしていることを話した。やっぱり、読み聞かせ活動に参加していてよかった。で、いいと思ったこと、嬉しいことって、人に伝えたいものだなあ、と。産後、市立図書館に足を運んでいないので、次回こそはもう少し新しいものを開拓して、読んでみたい。
候補作品だったもの (長かったり、絵が見えにくいと判断してやめたもの)
モチモチの木 (創作絵本6)ないた あかおに (絵本・日本むかし話)おっきょちゃんとかっぱ (こどものとも傑作集)アンデルセンどうわ一年生 (学年別・新おはなし文庫)
十二支のはじまり (日本の民話えほん)
びゅんびゅんごまがまわったら (絵本・ちいさななかまたち)』(絵本ナビ参照
「五つぶのえんどうまめ」(『アンデルセンどうわ一年生 (学年別・新おはなし文庫)』より *息子の希望だった)