横山秀夫『クライマーズ・ハイ』読了

東京大空襲を乗り越えた茶碗

 夜中にぱっちりと目が覚めたので、ここのところ読んでいた『クライマーズ・ハイ (文春文庫)』を読み進めた。一人の男の生き様を見せるために選ばれた題材は、先日21年目を迎えた日航ジャンボ機墜落事故(に直面したある地方新聞社)。私が高校時代の出来事で、生存者救出の映像は今でも脳裏に焼きついている。で、夜中に読んでいた箇所というのは、丁度終戦記念日の中曽根首相(当時)の靖国参拝の記事を1面に載せるかどうかと、新聞社内でもめていたところ。朝、目が覚めてテレビを付けると丁度「現役首相では21年振りの・・・」というアナウンサーの声。
クライマーズ・ハイ (文春文庫) 去年の12月に放映されたドラマは、本当に夢中になって見入った。で、今回やっと原作を読み終え、かなり原作に忠実にドラマ化されたこと、また出演者がやっぱりピッタリ役にはまっていたということがわかった。もちろん、ドラマにしろ原作(小説)にしろ一長一短があるが(ドラマの場合、時間の経過を同じ役者が演じることに難しさがある)、この作品に限っていえば両者はそれ程かけ離れていない。著者・横山秀夫さんは話題作がたくさんあるが、私にとってこれが初めての作品。硬派な作品、大いに結構。また何か読んでみたい。
 写真は、義母が東京大空襲の時に、自宅の庭に埋めておいた茶碗の1つ。空襲後に土から掘り出したものだが、2つだけ貰い受け、日常使いとして使っている。今日は、このお椀で冷や奴を頂く。生姜を薬味として。(最近、生姜とミョウガがお気に入り!)