「近道を探そうとしないこと」by ターシャ・テューダー

 一昨日の朝、たまたまNHKで放映されていた「喜びは創り出すもの ターシャ・テューダー 四季の庭」に釘付けになってしまった。出掛けるために途中でやめるのも嫌だったので、途中からビデオを録画しておいた。それで、今朝は夫と息子がまだ寝ている6時に起き出し、続きを蜂蜜入りの紅茶を飲みながら、一人でゆっくり見た。主婦、自分の時間を確保するには家人が寝ている間に起きるしかないのだ。休日とはいえども早起きした方が三文の徳なのだ。
 とにかく、もう、何と言ったらいいのやら、米国バーモンド州のターシャの庭、そして四季の移ろいの美しいことに感動してしまった。そして建てる前から「18世紀のような家」というのを注文し、息子がそれを一人で作ってあげたという、その家との調和がすばらしかった。そして、現代の時間の流れとは違うターシャの生活スタイルにびっくりしてしまった。アメリカ、やはり恐るべし(こういうのが実現できる社会でもあるところがすごい)。
コーギビルのいちばん楽しい日コーギビルの村まつり人形たちのクリスマス―ターシャ・テューダークラシックコレクションおまつりの日に (ターシャ・テューダークラシックコレクション)ターシャ・テューダーのマザー・グース
 ターシャ・テューダーさんは、絵本作家である。彼女の生活そのものが題材。花であったり、動物だったり、そして生活のテンポだったり、それらを愛おしく思う気持ちから絵が生まれる。一昨日外出した際に絵本コーナーでいくつか見てきた。絵本はあまり置いていなく(気になっていた『ゴーギビル』シリーズがなかった)、逆に彼女の言葉や庭を紹介した本は平積みに置いてあるほど、注目されているというのがわかった。本は眺めるだけで買わなかったが、録画したビデオで私が気に入った言葉・・・パン作り(これまたプロ級)をしていて「近道を探そうとしないこと」というアドバイス。夏というと、水遣りに1日かかりっきりになるのだが、そんな中でも一つ一つの花や土の様子から「万遍なく水をやるのではない」ってこと。そして「幸せは心の持ち方にある」ということも言っていた。人付き合いが苦手で、人よりも植物や動物との生活を選んだターシャだからこそ説得力のある言葉に聞こえた。そして、面白かったのは、昔は水汲みが大変だったことを述懐し、電気ポンプで水汲みが出来る生活に「毎朝顔を洗うたびにエジソンに感謝するのよ」という言葉。90年近く生きている人にしかわからないよなぁと、笑ってしまった。ターシャの庭今がいちばんいい時よ (ターシャ・テューダーの言葉 (3))思うとおりに歩めばいいのよ (ターシャ・テューダーの言葉)
 ビデオを見終わった後、最近の自分の生活がなんと彩(いろどり)がないんだろうと振り返ってしまった。とにかく効率第一主義。それも仕方が無いのだが、5年前まで庭いじりを楽しんでいた生活をまた始めようかなと思った朝になった。